尾崎太郎
所属プロジェクト:音響
亀川研究室
代田菜々美
所属プロジェクト:音響
亀川研究室

黄瀬:
ごきげんよう。
東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科、プロジェクト音響所属の黄瀬と申します。このラジオは、2024年12月14、15日に東京藝術大学千住キャンパスにて開催される「千住アートパス」の企画の一つとして収録されています。音楽環境創造科、通称「音環」の学部一年生がそれぞれトークテーマや個々の活動について話しながら、「何をしているかわからない」と言われることもある音環での学びについて、それぞれの視点から発信していきます。題して「音楽環境放送科」!
それでは早速、今回のお二人をご紹介したいと思います。
代田:
音響1年亀川研の代田です。
尾崎:
音響1年亀川研の尾崎です。
黄瀬:
お願いしま〜す!すごい、今までで一番固いです!
一同:
(笑)
尾崎:
いやいや、最初は真面目にいかないと。
黄瀬:
これからくだけてくってこと?
尾崎:
そうそう、礼儀は大事。
黄瀬:
今回のメンツは前に集まったことがあるじゃないですか?プロジェクト音響の夏合宿で同じグループだったんで。ま、その話とかをしていきたいなと思っています。
合宿の日程の中で決まってることが「音源制作する」ってことだけだったじゃん。で、その制作が縦割りでチーム分けをされてて、学部1・2・3年でチームを作って、三つチームがあってそれぞれ製作していくみたいな感じだったけど、私たちは同じチームだったということで。
でも、それまであんま絡みなしだったよね。
代田:
グループのメンバー割送られてきた時、すごい怯えてた。
黄瀬:
怯えてた!?
代田:
ど、どうしようみたいな(笑)会話できるかなみたいな(笑)
一同:
(笑)
黄瀬:
こんなにフレンドリーなのにわたし!(笑)
尾崎:
いやいやそうね。でも俺は正直その頃そんなに誰とも喋ってなかったから、どのチームでも大差ないなと思ってた。
黄瀬:
逆に腹を括ってた?
代田:
よく行こうと思ったよね、それ。
尾崎:
なんかだって、なくない?普通の大学で授業で、おんなじ研究室でとか…
黄瀬:
しかも「プロジェクト音響」の合宿で…
尾崎:
そう、なんかね。「制作合宿」とかなら分かるけど、何すんだろうみたいな。
黄瀬:
何したんだろうね。
尾崎:
音響作品を作るっていうテーマで…
黄瀬:
あとフィールドレコーディングが一個課題だったよね。合宿場が毎年変わってて、今年は海だったじゃん。九十九里浜の近くで、で去年は山だったらしいんだけど。そういう感じで、行ったところの音をレコーダーで録ってきて、それを素材にして音源を作るっていう。その音源の形態は音楽でも楽曲でもいいしオーディオドラマとかでもいいし、っていう感じの結構自由度の高い課題だったと思うけど。
ね、私たちは音楽作品で「六道」をテーマに…
尾崎:
そう、元々合宿の制作全体のテーマが「えん」っていう。
黄瀬:
リレー形式で音源を作るみたいな感じでしたね。面白かったね。どうでした?あの経験は。普段の自分の制作と違うところとかさ。
尾崎:
まずパソコンを持ってきてなくて(笑)
この3人の中で代田さんしかパソコンを持ってきてなくて!
黄瀬:
あれはだって、その…(笑)
尾崎:
そう、何するかあんまり聞かされてなかったっていう。説明不足も甚だしくて…
代田:文句言わないで(笑)
黄瀬:
しかも太郎あれだよね、壊れてたんでしょ?
尾崎:
あ、そう。俺パソコン持ってこうかなって思ってたんだけど、なんか使うかもしれないから。
でも壊れてて、持ってけないなぁと…
黄瀬:
私はその時藝祭で使う音源を作ってて、バリバリ動いてたんだけど、ちょうど音源提出が合宿の前日くらいで。深夜くらいに「提出したっ!」ってなった瞬間に「もうDAW見たくない!」って思って(笑)
尾崎:
嫌いになって(笑)
黄瀬:
そう、パソコン閉じて(笑)置いてった、意図的に、もう見たくないと思って。そしたらもう、DAW使わないと進まないみたいな(笑)
尾崎:
そう、テーマもよくなかった。なんかやっぱ音響作品とかフィールドレコーディングだと一人の画面で、みんなでこーじゃないあーじゃないってできたけど、分担だったからうちのチームは(笑)
黄瀬:
そうだね〜
尾崎:
それで3人が一つのパソコンでやらざるを得なくなった。
代田:
まじで時間なかった(笑)
尾崎:
そう、時間が…
黄瀬:
代田さんのWindowsに、3人でパソコンの画面覗いて…
代田:
しかも私パソコン持ってきたはいいけどヘッドホンも何にも持ってこなかったんだよね(笑)
尾崎:
そう!なぜか俺がヘッドホンだけ持ってきてて(笑)
黄瀬:
なぜかピースが噛み合って。
尾崎:
そうそう、偶然いけるなぁみたいな。
黄瀬:
そうだね。先輩からインターフェースとかマイクとか借りて…やりましたね。いやぁ、意味わかんなかった。
黄瀬:
てかあれだわ、私たちよくないわ。
全員プロジェクト音響だから通じてると思ってるけどDAW…言いましょう!
説明しよう!DAWというのは”Digital Audio Workstation”の略です。で、いわゆる楽曲制作ソフトとか言われるやつだよね。録音した音をいじったり録音したりできるやつです。
代田:
ざっくりいうと「パソコンで音楽作れるソフト」だよね。
黄瀬:
いろいろ種類があるんだよね、ソフトにも。LogicだのAbleton LiveだのStudio Oneだの…
尾崎:
変な紹介の仕方だけど(笑)
例えば出版物を作るとかだったらほとんどAdobeで統一されてるし、そういう意味では曲作るソフトって結構宗派みたいな感じで分かれてて…
代田:
いろいろあるよね。
黄瀬:
信仰があるよね。
尾崎:
そう、信仰が。てか最初に使ったやつで、やっぱ楽器みたいなもんだから最初に一個使っちゃうとそれで慣れちゃって他のやつが使えないから、みんな各々の好みがくっきり分かれてる感じが…
黄瀬:
自分が使ってる使い方が正解になっちゃうもんね。
尾崎:
そう!何で選んでるのかって言われたら…
何で選んでんの?代田さんは。
代田:
私は、最初に始めようってなった時に、Studio Oneなんだけど、Studio Oneがついてくるインターフェースみたいなのがあって、それを買ったから自動的にって感じ。
尾崎:
一番多いパターンだろうね、機材についてくるっていうのは。
代田:
それでいうとさ、Ableton Liveがまじでわかんない(笑)
尾崎:
いやこれは明確に理由があって、デザインが好きだったっていうのもないことはないけど、っていうよりもハウトゥー動画っていう、「こうやって、曲はこう作られてます」みたいなYouTubeの動画とかサイトとか、情報がAbleton Liveはすごく多くて…
黄瀬・代田:
あ、そうなんだ!
尾崎:
そう。まぁ、日本語の解説はあんまないけど、英語の”How To Mix Music”とかいろいろそういうハウトゥー動画系がAbleton Liveはめちゃくちゃ多かったから、参考にするやつが多い方が気持ち的にはいいかなと思って、結構合理的に…
代田:
ちゃんと考えて選んでる!
黄瀬:
それ使う前からリサーチしてたってこと?
尾崎:
うーん、そうだね。
黄瀬:
なんで?(笑)一体全体、それはいつの話?
尾崎:
俺がDAWを始めたのは中二の終わり?そう、なんでかっていうとコロナがあって中2中3の間に…
黄瀬:
そのきっかけはきっと多いよね。
尾崎:
そう、することなくなっちゃって、基本もうゲーム依存というか中1中2は。朝から晩までゲームやってたのが、あまりにやりすぎて飽きてしまって。
黄瀬:
ゲームに?(笑)
尾崎:
そう、ゲームに(笑)
まぁまぁ、ゲームもやりつつ新しい趣味で。でも最初からパソコンで曲作るの始めたわけじゃなくて、ギターを始めたんだ多分。中1中2の時に家にあったアコギとか弾いてて、でエレキギターを父親が買ってきたのかな、買ってきたというか一緒に選んでBOOKOFFで7,000円ぐらいのエレキギターを買ってきて。
黄瀬:
あ、いい話。
尾崎:
そう。と思ったんだけど、ギターを家で弾くってなった時にアンプに繋いで音を増幅するわけじゃん?でもなんかアンプの音が満足いかないみたいな。でいいアンプを買うのもお金ないしと思った時に、「パソコンにギターの音を送ってパソコンの中で音をいじれば安く済むんじゃないか」っていう思いでパソコンに送るためには何が必要なんだろう?っていろいろ調べて、オーディオインターフェースを買ったりとか。DAWを自分で調べて「これがいいかもな」みたいな…
黄瀬:
そうだね。DAWの中にはエフェクターとかあるし。
尾崎:
アンプシミュレーターっていう実際のアンプに繋ぐとどういう音になるかっていうのをシミュレートしてるプラグインというかソフトもあって。それを使ってギターをいい音で弾きたいという気持ちで…
黄瀬:
じゃあ最初はギターをいい音で弾くための機械として触れたんだね。
尾崎:
そうそう。ギターに入れるため、ギターの音をいじるためというか。
黄瀬:
それは一人で自分の演奏を録音するためとかで最初は使ってたのかな。
尾崎:
そう。てかもう弾くため?練習でいい音で弾きたいけど高いアンプを買うわけにはいかないし金はないし。
黄瀬:
エフェクターも揃えようとしたら高いし。
尾崎:
でもパソコンだったら選びたい放題、いろんなアンプも試せるし、録った音あとからアンプだけ変えるとか柔軟にできるなと思って。
黄瀬:
でも代田もそうだよね。中高生の時から…
代田:
え、そう、中学の時だと思う。元々割とちっちゃい時から音楽漬けで、曲作りたいなって思ったんだよ中学くらいの時に。でも歌いたくなかったから…(笑)
黄瀬:
「したくない」が先にある(笑)
尾崎:
マイナスから(笑)
代田:
そう(笑)
じゃあボカロがいいかなって、でそこからやってみてみたいな感じで始めた。
黄瀬:
ボカロ動かすってなったら必須だよね。
代田:
そうそうそう。ないと始まらないから。
黄瀬:
そうなんだ…いや、私のいた環境に元々別に軽音楽部もないような中高だったのね。だからDAWとか全然知らないみたいな。作曲してる子もいたけどその子はピアノでやってたから、全然「パソコンで録音してます」みたいな人がいなくて、わかんないわけよ。「どこで出会ってるんだ?」みたいな。
音環に入ってみてプロジェクト音響でずっとDAWの話とかしてるやつはなんなんだと思ってたけど、合宿で代田のパソコンで二人が「カタカタカタカタカタ…」ってやって曲を作ってるとことかみて、「うわ、マジなんだ!」と思って。「本当にパソコンで曲作ってるんだ!」って(笑)
代田:
なんだと思われてたの!?(笑)
黄瀬:
いや、なんだかんだmidiキーボードとか、その時も使ってたっちゃ使ってたけど、結局録った音を取り込むみたいな形だと思ってたから、本当にDAW上で音を生成してってやってるのを目の当たりにして。すごい刺激的でした。交わらない世界だったな。
尾崎:
自分でやってると当たり前に感じるけど意外と新鮮なのかな。
黄瀬:
そうだよ、ヘンだよ!(笑)
一同:
(笑)
黄瀬:
やってること変だよだって…
尾崎:
いやでもボカロ俺だってやってたし、中3くらいの頃に。そうなんだよね曲を作ろうと思って、要は例えばボーカルがあるような曲を作ろうと思っても、まず歌いたくないとか歌えないとかもあるし、純粋に自分で歌うにしてもマイク揃えてやってっていう最初のコストがめちゃくちゃかかっちゃうから、ボカロはそういう意味では…
代田:
だってマイクいいやつ買おうと思ったらそれこそ何十万とかだけど、ボカロは大体一万ちょっとみたいな。
黄瀬:
最高の声が手に入るしね。
尾崎:
そう基本ね、音いいわけだし。
黄瀬:
ボカロはずっと聴いてたの?
尾崎:
まず自分で音楽をそんなに聴いてなかったかもしれない。中学生くらいまでは、うちの姉が音楽がめちゃめちゃ造詣が深いというか、色んなちょっと流行る前のKing Gnuとかめっちゃディグってて、「よくこんなん見つけてくるな」みたいな感じで。で俺はそれを後ろから聴いてただけで、自分から曲聴いたことって多分ないかな。でも小学校の頃吹奏楽部入ってたりとか、やることはあったんだけど曲聴くってなかったかな。
黄瀬:
音楽自体に興味は持ってたの?その時
尾崎:
いやでも、うちの父親が音楽やっててそもそも、ミュージシャンというか。
楽器奏者だったんだけど、結構終わった…よくない父親だったんだけど(笑)
一同:
(笑)
尾崎:
よくないっていうのは、本当に生活が破綻してる感じっていうか…
代田:
でも音楽やってる人なんて大体そんなもんでしょ(笑)
尾崎:
それでやっぱ軽蔑してたので(笑)こうはなりたくないと思って…だから音楽だけはやらんだろうって思いながら…
黄瀬:
ようこそ音楽環境創造科へ!(笑)
尾崎:
こうだけはなりたくないみたいなアル中だったし…
黄瀬:
おもろすぎるそれ(笑)
尾崎:
どうなんですか、音楽は聴く?
代田:
それこそちっちゃい頃は自分で選んで聴ける環境じゃなかったから、あんまり好きな音楽とかい概念なかったんだけど、中学入ってスマホがあってYouTubeがあってみたいな感じになってそこからワーって、そこから入るとボカロから入るじゃん?
尾崎:
そうだね、動画サイトに上がってる音楽というか。
黄瀬:
ボーカロイドから音楽に興味持つ人ってなんか多いらしくて、テレビあんまみない家族が増えててテレビも観なくて、自分で音楽聴き始めるってなったらYouTubeニコニコ動画から入って、そこで主流な音楽、ボカロイドみたいな入口が多いらしい。
しかもテレビつけてもさ、もう出てる人って米津玄師とかYOASOBIとかさ、ボーカロイドのエッセンスを持ってる人たちだから…
尾崎:
バックグラウンドが、確かに。だから音楽だけを聴くっていうのが特殊なんじゃないかって。みんな音楽今Apple MusicとかSpotifyとかで音楽だけを聴くストリーミングサービス入ってる人多いと思うんだけど、ちっちゃい頃ってなんか音楽だけを聴くのってなんか…
代田:
結構ね、ハードル高かった。
黄瀬:
絶対MVもつくし、アーティストの情報もつくし。
尾崎:
だからわからなくはないな、ボカロから入るっていうのは。
黄瀬:
合宿の話だ。でも今生い立ち気になってるんだよな。
尾崎:
じゃあ逆に代田さんがどういうふうに始めようと思ったか。
代田:
私は本当にちっちゃい時から音楽みたいな感じだったらしくて、あんまり覚えてないんだけど(笑)
習い事色々やらされてたんだけど、ピアノがやり多すぎてそれ以外全部やめたっていうエピソードをこの前聞かされて。でその時から弾く方よりも作る方が好きだったんだよね、当時から。
で、作りたいってなって買って、DAWとか揃えてやってみて結局「私あんまり作るの得意じゃなくない?」っていうことに途中で気づいて。
歌も好きだけど歌詞よりも音がどうかっていう方に興味があるなっていう気づきを得て、なんか色々あってミックス…
黄瀬:
何があって?(笑)
尾崎:
だいぶ飛んでる(笑)
でも最初は作りたいから始まって…
代田:
そうそう、でも今あんまり作りたくない(笑)曲は人に任せて私は調整する方やりたいなっていう感じに高校くらいからなってここにいるかな。
黄瀬:
でもそうだよね。音環にきてからであった代田って、ミックスの話の時だけ目が輝く人みたいな…(笑)
尾崎:
確かにあんま作ってる感じ…でもやっぱ作るが最初だったんだ。
黄瀬:
素朴な質問なんですけど、ミックスっていう、なんて説明したらいいかな…
尾崎:
音量のバランスとか音色を調整するみたいな。
代田:
録った音源をCDの音源まで持っていく作業みたいな。綺麗な聴きやすい音源にする作業みたいな感じ。
黄瀬:
私ミックスめっちゃ嫌いなんだけど、何がいいの?(笑)
尾崎:
(笑)
代田:
なんかね、多分音に対する興味がすごくて。曲自体というよりも音色とか音量のバランスとかそういうところに対する興味がそもそも私が強いから、興味があるからそこいじるのが楽しいのかなとは思う。
黄瀬:
自分で手を加えた音がどう変わってくかみたいなのが楽しいんだ。
代田:
そうそうそう。
黄瀬:
はーなるほどね。ミックスってめっちゃ大変じゃない?思った通りに行くことほとんどないみたいな…
代田:
そう、だからそれをずっと格闘してるみたいな感じ(笑)
尾崎:
それも楽しいみたいな。
代田:
そう。それが別に曲作るのが嫌いだったわけじゃないんだけど、曲作ってミックスをしようってなって、ミックスが楽しすぎて。
黄瀬:
やめらんなくなっちゃったんだ(笑)
代田:
そう(笑)
曲つくんなくてこっちだけやりたいなみたいな(笑)
尾崎:
こっちがやりたかったんだっていう(笑)
代田:
そう(笑)なんか変な気づきを…
黄瀬:
でも今結構作曲と編曲分けて喋ってたけどさ、編曲自体が創作行為じゃん今や。この発展したDAWの技術はさ、ほとんどそういうところまで来てると思うし。興味がより解像度高まったんだろうね。
尾崎:
確かに専門職っていうよりは割と同時にやる人もいるわけだし。
代田:
そう、全部できちゃう人が多いから。
尾崎:
それはやっぱDAWというかデスクトップミュージックが盛んになって、より変わってる部分かもしんない。一部のエンジニアがとかじゃなくて…
代田:
そう、だから私は仕事がないんじゃないかということを恐れている。
黄瀬:
え、そうなの!?多すぎてってこと?
代田:
そうなんか曲作れる人ってなんかミックスまで全部できるんじゃないかっていう気持ちがあって…
尾崎:
でもなんか入って思ったのは、ミックスだけだったら割とできる人いるかもしれないけどやっぱ録音まで行くと結構専門的な技術だなっていうか。
黄瀬:
確かにね。
代田:
マイク高いしね…
尾崎:
試せないじゃん、気軽に。
代田:
そうそう、練習も何もそもそも買うのに安くて二十万なんですけどみたいな。
黄瀬:
確かに確かに。
尾崎:
DAWが敷居が低いのは、やっぱパソコンがあればとりあえずできるみたいな。だからみんなやれる…元々パソコン好きだったしね。
代田:
それ偉い!
尾崎:
え、パソコン好きじゃなかったってこと?
代田:
まじで使えなくて機械(笑)
ってか、父が結構機械詳しくて機械いじるの好きで、中古の部品でパソコン組んだりするタイプの(笑)
黄瀬:
すごい、本物だ(笑)
代田:
なんだけど、その影響で家に「こういうの欲しいんだけど」って言ったら出てきちゃうの!だから調べたことがなくて…いまだにちょっと苦手なんだよね。
黄瀬:
やってもらえちゃうから逆にっていう!
代田:
そうそうそうそう。
尾崎:
いや俺めちゃめちゃ、もうパソコンが大好きで。パソコン部だったしね、まず中学の時。
黄瀬:
そっかそっか!
尾崎:
もうパソコン触るのが好きで、ゲームが好きだったから。ゲームをやるのに自作でパーツ買ってきてパソコン組んだりとか、機械触るのが好きだったし。モニターが好きだし。
黄瀬:
モニターが好き!?(笑)
尾崎:
そうだから目悪いしだから(笑)
黄瀬:
意味がわかんない(笑)見すぎてってこと?
尾崎:
画面が好きなんだ、なんか(笑)
黄瀬:
好きすぎて見つめすぎて視力落ちたってこと!?(笑)
尾崎:
そう、いまだに俺が使ってるAbleton Liveとかも、パソコンを触ってる感じが嬉しくてなんか…
代田:
そんなことある!?
尾崎:
逆になんか機械に強くないんだ!って思った。皆なんか、こういう俺みたいなタイプなのかなって思って、パソコン触るのが好きでみたいな、音環に入る人は。そうでもないなと思って。
代田:
人によりけりだよね。
黄瀬:
てかプロジェクト音響だけじゃない?あと創作で自分でプログラミング組んで作品作ったりできる子はそうかもしれないけど。
尾崎:
確かに。
黄瀬:
全然、好きじゃないなぁ。
尾崎:
意外となんだぁ、大好きなんだけど(笑)
黄瀬:
パソコンわかんないわ本当に。
代田:
キレちゃうちょっと。
黄瀬:
わかる!私も結構コンピューターに悪態つくタイプのヒューマン!
尾崎:
二人はそうだね。俺はもう、愛でたくなる感じ(笑)
代田・黄瀬:
(笑)
黄瀬:
両極すぎる(笑)まともな人がいない(笑)
尾崎:
パソコン、そうだね。パソコンはだから本当小学生くらいの頃から…そう、誰にも言ったことないけど小中学生の頃にゲーム実況者になりたくて、ゲームがめちゃくちゃ好きだったから、朝から晩までゲームやってて。その時に動画編集とかパソコン使った作業をめちゃめちゃ勉強してて。それが動画編集とかもさ、タイムラインの仕組みとかも結構作曲に近い部分があって、そういうのでパソコンを使うことを身につけてしまった。依存してしまった、パソコンに。
黄瀬:
さっきから話してる時も私じゃなくてパソコン見て喋ってるもんね(笑)
尾崎:
そう、パソコンが見たいのよ!(笑)
代田:
怖すぎ(笑)
尾崎:
画面が見たい!
代田:
この角度見えないけどね(笑)
尾崎:
そう、だから俺ちょっとチラッてこうやって。
黄瀬:
(笑)覗き込みにきてる!
でもそのさ、合宿に話戻るけどそれぞれ作る時間を決めて代田さんのパソコンを借りてやってたじゃん。でもなんか太郎がやってる時は「熱中」って感じで、のめり込んでたよね。それはすごい印象的だった。で、ヘッドホンしててさ、「できた!」って外してスピーカーにしたらめっちゃいい曲流れてくるみたいな(笑)あれすごい良かった…
尾崎:
そうか。でもそれは俺は代田さんの時とか黄瀬くんの時とか同じようなこと思ったけど。
でも俺と代田さんがちょっと違うなって思ったのは、代田さんは音をいじってどんどん面白くしていこうとして、それがなんか楽しそうだなっていう。
黄瀬:
確かに確かに!
尾崎:
細かい調整だとか、「ここにピンポンディレイかけたらどうなるんだろう」みたいな…
代田:
言った記憶ある(笑)
黄瀬:
そうだね、太郎のやつは結構作曲っぽかったというか、ちゃんと鍵盤使ってたし。
尾崎:
そう、確かにミックスはあんまり好きじゃないかも俺だから(笑)なんか要素を構成するのが好きだし、絵描くのとかも好きなんだけど。
黄瀬:
あ、そうなの!?
尾崎:
そうそう、なんかミックスって俺のイメージだとちょっと音量ここ下げて、なんか納得いかねぇ!みたいな地道な作業な気がしちゃって。それが楽しいってこと?じゃあ。
代田:
いや、そうだよ?(笑)
尾崎:
じゃあ違うわ、俺は(笑)
代田:
なんかでも私逆に曲作る方が結構なんか自分の中では挫折みたいなイメージがあって。楽しいし出来はするんだけど、それこそ尾崎の曲とか聴いた瞬間に「あー、私これできないわ」ってなることが結構多くて。なんか自分の作る曲そんなに好きじゃないから…
それもあってあんまり楽しくなくなっちゃって。
黄瀬:
理想があるんだね、多分。
代田:
そう、好きな曲と作れる曲が多分私は合ってなくて。
尾崎:
いやー、でもそれはなんか俺もあるかも。だから作りたいものと自分が作れるものって違うから、そこで嫌になるっていうのは分かるし、自分で曲作る時って自分の曲いっぱい聴くじゃん?それでも嫌いになるし…
代田:
分かる、まじで分かる。
黄瀬:
めっちゃさ、寝かせるの大事じゃない?
尾崎:
そうね、でも寝かし続けてたら曲できないじゃん!
黄瀬:
そうだ、確かに(笑)
尾崎:
作るためには…だからまぁ曲作る、他の人がどう考えてるのかわかんないけど、曲作るのは俺は妥協みたいな。頑張ってもどこまでいって妥協するかみたいな感じで。
黄瀬:
そうだね。しかもこの間のやつは共同制作だったからリミットもあるし、時間的なのもあるしこれ以上荒らしてしまうと繋がらないみたいなのもあったし、結構考えることも多かったよね。
尾崎:
でもそれは合宿の良かった部分でもあるなと思ってて、時間が決まってるから逆算してできる最大限でやろうみたいな。時間が無限にあるじゃん、自分のために曲作ろうってなると今だったら1年かけても2年かけてもいいけど、タイムリミットがあった方がなんだかんだで集中できるから。
黄瀬:
いやまじで、あそこ大リスペクトポイントだった、あの合宿は。「二人とも背中でけぇ!」って(笑)
代田:
でもそれでいうとね、黄瀬さんはマジでびっくりした。ちょっと考えてくるわ!って言ってふらっと廊下出てって、一時間後くらいに「歌詞できた!」って言って帰ってきて(笑)
一同:
(笑)
黄瀬:
私は多分何もこのパソコンでできることはないから、この合宿の体験を16小節くらいのラップにして、その領域で戦おうと思って。だから音響合宿行ったのに音響らしいこと何もしてなくて!(笑)一人でラップバトルして帰ってきた(笑)私はこっちで戦わしてもらいますみたいな(笑)
尾崎:
でも一番録音っぽくない?マイクを立ててみたいな。
黄瀬:
あれすごい良かった、楽しかったのはみんなホテルで作業するしかなかったじゃん?全然スタジオとかじゃなくて、普通の旅館に泊まってたから自分たちの録音環境整えなくちゃいけなくて、クローゼット開けて中全部出して、毛布を天井とかに詰めて(笑)
尾崎:
そう、吸音して!
黄瀬:
そう、簡易的なレコーディングブースを作って、そこにマイクを立ててやる、みたいな。あれはでもいい、得難い経験だったね。
尾崎:
得難い経験だった!(笑)
黄瀬:
そうするしかなかったから!
代田:
でもあれおもろかったのがさ、やってたじゃんブース作って。そしたら「ねぇこれどうやって作ったの?」って聞きにこられたのが(笑)
黄瀬:
そうそう、他のチームが(笑)
代田:
やっぱみんな録音ブース欲しいんだって(笑)
黄瀬:
あれ多分家でやろうとしてるよねみんな(笑)
尾崎:
あれ良かったよね!要は狭いスペースにマイクを置いたら結構壁とかいろんなとこで反響して仕上がりがあんまり良くないみたいなことあるんだけど、布団詰めて工夫してやったら意外と本当に防音室で録ってるみたいな音響になって。
代田:
そうそう、意外と綺麗に録れて。まぁマイク良かったのもあるだろうけど。
黄瀬:
そうだね、先輩に貸してもらった、なんか金色だったし(笑)
尾崎:
テンションあがる。
代田:
あれかっこよくて好きなんだよね。
尾崎:
そう、中身のことはあんまり知らないけど(笑)
代田:
c404(正しくはc414)かな?
黄瀬:
金色のコンデンサーマイクは高くていい音が録れるっていう(笑)
代田:
覚え方ざっくりすぎる(笑)
あれは結構高音がしゃりしゃりするから、ヴァイオリンとか録るには私は好きじゃないかも。なんか元々高音がある楽器を録るにはあんまり好きじゃないし、ちょっとこれは言ってわかるかわかんないけど、自分の声高域出過ぎだなって思ってる人はあのマイク使わない方がいいと思う。
黄瀬:
うんうん、そうだね。
代田:
「高域出過ぎかな?」なんて自分の声聞いて思わないと思うから(笑)なんとも言えないけど。
尾崎:
自覚があるなら(笑)
黄瀬:
自分の(声の)周波数特性を聞いて分かってる(笑)
尾崎:
いるかもしれないけど(笑)
代田:
そんな人はマイク買ってるでしょ(笑)
尾崎:
確かにね。
黄瀬:
気づいてたかわかんないけど、太郎がDAWに向かってる間私ずっと後ろで見てたからね?凝視してたよ。
尾崎:
え!?だから俺画面に夢中だから全然周りは目に入ってなかった。でもなんか自分の声っていう楽器があるのはいいなって思うかな。
代田:
それは本当にそう。ずっとレコーディング、スタートボタンとかクローゼットから押せないから私がやったんだけど(笑)
尾崎:
そうだ!(笑)一人では完結しないシステム(笑)
代田:
そう(笑)で、何テイクかして「もうちょっと低い方がいいんじゃない?」とか色々やってて、すごいなぁって。
黄瀬:
いやいやでもあれは、あの時気付いたんだけど、私代田に対して畏れを持ってて(笑)初めて録ったテイクの声が細すぎて、「めっちゃ緊張してるやん!」と思って(笑)
そう、なんかね自分でさ家で録る時ってさ、もう何やったっていいじゃん?しかも私結構変な声出すのが好きだから、色々試してみるタイプなんだけど。その分他の人に聴かれるまでにはある程度正解を出さなきゃみたいな気持ちになるからすごい緊張しちゃっててあの時。
尾崎:
そうだね、制作ってさ一人で完結してる、俺もそうだけど。自分の部屋でずーっとやるもんだから、人前でっていう時点でちょっと緊張してたかもしれない、それは。
代田:
えら(笑)
尾崎:
してなかった?(笑)
代田:
全然もう(笑)
尾崎:
すごい楽しんではいるなぁと思ってた(笑)
黄瀬:
そうそう、すごい楽しそうだった(笑)
尾崎:
あれ夜通しやってた?夜通しはやってないか。
黄瀬:
いや、やってたと思う。だって私たちが一時くらいまで代田のパソコンを借りちゃってたから(笑)
尾崎:
そうだ!
黄瀬:
で明日の朝提出ですみたいなことだったから。
代田:
だからそっから始めて…
尾崎:
そうだ!ボーカルミックス、ボーカルの音を調整するときに寝てる黄瀬くんを叩き起こして(笑)
一同:
(笑)
代田:
「ちょ、最終確認して!」みたいな、「これとこれどっちが好み!?」みたいな(笑)
尾崎:
めっちゃ辛そうだったなんか(笑)寝起きだからさ(笑)
代田:
そうなんかでも私結構人に頼まれてやることが多いから、ミックスってなんか。あんまり私の感性だけで終わらせるのが怖くて。
黄瀬:
いや、めっちゃエンジニアとして重要な考え方。
尾崎:
あー、それで違うのかもな。一人で作るんじゃなくて常に人とやるのが前提だから割と、人とやるのが緊張しないというか。
黄瀬:
だって代田あれだよね?軽音楽部のミックス担当だったんだよね?(笑)
尾崎:
そう、普通の軽音楽部ミックス担当いないから!(笑)
代田:
しかも所属してなかったから(笑)
一同:
(笑)
尾崎:
仕事じゃんじゃあ(笑)
黄瀬:
それ面白すぎるんだよな。
尾崎:
へぇ〜、じゃあ頼まれてってこと?
代田:
まぁコロナで文化祭リアルでできなくなった。で、録らなきゃいけない。で録ったはいいんだけど学校の機材がやばすぎて、左からバスドラムが聴こえて右からギターが聞こえるみたいな状況になってて(笑)なんとかならん?って言われて。オッケ〜って。
尾崎:
軽、頼もし(笑)
黄瀬:
はぁ〜、すごいな。
代田:
そんな感じだった。なんかそれ以前に「歌ってみた」やりたいって友達がいたからその子のボーカルミックスやりながら結構覚えていったんだけど。
黄瀬:
へぇ〜、全然わかんない!人のためにミックスをする気持ちが全然わかんない(笑)
尾崎:
そうですね、僕はそう思います(笑)
代田:
それを、私も最初はそうだったの、なんか。仲良いから頼まれたからやってみたいな感じだったんだけど、「これのが私好きじゃね…?」みたいな。
尾崎:
だんだん気付いたんだ、その楽しさに。
代田:
そうそう。そんな感じだった。
尾崎:
気づきたいわ、俺も(笑)
黄瀬:
知りたい!その楽しさを(笑)
はい、ということで今回はここまでになります。ありがとうございました〜
代田・尾崎:
ありがとうございました〜
黄瀬:
バイバ〜イ