尾野真悠子
所属プロジェクト:音響
亀川研究室
中俣由
所属プロジェクト:創作
後藤研究室

(音量注意)
中俣:中俣由と?
尾野:尾野真悠子と?
黄瀬:黄瀬の?
中俣:オールナイト○ッポンゼロ〜!テッテーテレッテ♪
黄瀬:あ、ダメダメダメダメダメ(笑)著作権があるから、この国には(笑)。
中俣:⚪︎ッポンゼロ〜って言おうとしたのに、普通に言っちゃった。
違います。
はい、ごきげんよう!東京藝術大学 音楽学部 音楽環境創造科 プロジェクト音響所属の黄瀬と申します。このラジオは、2024年 12月14,15日に東京藝術大学千住キャンパスにて開催される「千住Art Path」の企画のひとつとして収録されています。音楽環境創造科:通称「音環」の学部一年生が、それぞれトークテーマや個々の活動について話しながら、「何をしているか分からない」と言われることもある音環での学びについて、それぞれの視点から発信していきます。題して「音楽環境放送科」。
それでは早速、騒がしい2人のゲストをご紹介したいと思います。
中俣:騒がしい言うな(笑)
音楽環境創造科創作一年の中俣由です。イェーイ
尾野:プロジェクト音響所属、一年の尾野真悠子です。お願いします。
中俣:お願いされまーす。
黄瀬:本当に元気でありがたいですね。
尾野:大丈夫?これもうワンテイクやんなくて、オープニング(笑)。
黄瀬:もうこのまま使います。あるがままなんで。
中俣:著作権が怖いですね。
尾野:すごい聞きにくい回になるかもしれない。
黄瀬:いや、そうね、多分あの2人のマイクの音量差が今すごいことになってるから(笑)
片方爆コンプかけて、片方も削るしかないんだよな。
尾野:頑張って喋るわ(笑)
中俣:さっき笑い声ちゃんと割れてたからね、俺も。
黄瀬:毎回こうやって一年生を2人お呼びして、私がパーソナリティをやってえっ?とトークテーマに沿って話したり、話さなかったりするんですけども。
今回はえっとインストゥルメンタルということで。
中俣:インストゥルメンタル。
尾野:インストゥルメンタル…。
インストゥルメンタルがテーマということで、お2人はまあ作曲されてますよね?
中俣:曲を作ってますね。
黄瀬:ね。2人とも作品の毛色は全然違うし、使ってるものも作り方も違うと思うんだけど、やっぱ共通点が、どっちもあまり「歌ものを作らない」というか。
中俣はトラックがメインだよね?
中俣:まあ、最近結構歌ものも作ってんだけど。
黄瀬:あ、そうなんだ
中俣:バンドとかがあるから。でもそうね、基本メインですよ、トラック作るのが。
ヒップホップのビートを作るのがメインですね。
黄瀬:だよね。おのまゆは?
尾野:器楽系の曲。そんなちゃんとしたやつじゃないけど、ちょっとポップっぽい感じの器楽系の曲を作ることが多いかな?
黄瀬:なんか歌入れてないって前に聞いたことがあって。
尾野:歌モノも作るには作るんだけど、歌詞が書けなくて。
だから歌モノはだいたい全部途中で放置しちゃって。
黄瀬:完成しないんだ。それもなかなか面白い。
中俣:そうだね。
黄瀬:でもさ、2人とも多分ルーツも違うと思うし。
尾野:うん、全然違うと思う(笑)、本当に違うと思う。
中俣:そう。しかも結構今まで喋ってないから、普通にそこ知りたいよね、わりかし。
黄瀬:そんな2人の違うところも、もしかしたら被ってるとこもあったりしたらね。聞けたらいいなと思ってお呼びしましたが。
…なんか、気合入れてきたもしかして?
中俣:気合い?別にないよ(笑)
トンカツ食ったぐらいかな。
黄瀬:(笑)なんのゲン担ぎなの。
尾野:ゲン担ぎしてたらそれもう気合だから。
中俣:気合いは入ってるかもしれない。何も考えてないけど。
黄瀬:なんかさ、これ収録2本目なんだけど、みんな背筋伸びてるんだよね。
お前そんな姿勢よかったっけ?みたいな。
中俣:え?俺伸びてる?
尾野:結構伸びてる。
黄瀬:中俣といえば猫背みたいな…。
中俣:え!?俺、「姿勢がいい」で有名だったんだけど、巷では。
黄瀬:あ、じゃあ偏見かもしれない。
尾野:よく見たらそうなのかもしれないけど、イメージは猫背。
中俣:イメージが猫背なん?やだね〜。嫌なイメージだよね。猫背とか。
黄瀬:確かに(笑)
中俣:中学の時とかさ、ダンスやってたから。めっちゃ姿勢いいんよ。なんなら姿勢すぎて、「お前反り返ってるよ」って言われた。
尾野:それ逆に悪いんじゃない?(笑)
中俣:後ろに曲がっちゃって。逆に悪いんじゃないかって言われてたぐらいだから(笑)
黄瀬:それ、姿勢良すぎてなの?(笑)
中俣:あまりにも良すぎたね。姿勢がね。
黄瀬:そっか、ダンスもやってたもんね。じゃあ中俣から音楽経験について聞いてもいいですか?
すごいベース弾いてるイメージあるけど。
中俣:ベースで最近マジで弾きまくってるね。
黄瀬:弾き倒してる?
中俣:弾き倒してる。
サークルがね、2個ぐらい入ってるんだけど、それののバンドになんか乗りすぎてて。12月だけでも、なんか4バンドぐらい。
尾野:えー!4?
中俣:そう、しかも同じライブでやるから、全部で18曲ぐらい あんの、やる曲が。
実際、俺ワンマン。(笑)
黄瀬:4つも出たらそうなるよね(笑)。中俣フェス。
中俣:中俣フェスです、実際。
黄瀬:ベースはいつからやってる?
中俣:ベースはね、中3ぐらいかな。でもね、高校受験があったから中学の時は全然弾いてなくて、実質本当に弾き始めたのは高1の秋とかかな。
尾野:それはさ、何きっかけで始めたの?ベース。
中俣:元々ね、両親どっちもバンドマンなんだよ。アマチュアだけどね。親父がキーボーディストで、お母さんがボーカリストか。だから、家に色々楽器があるわけよ。
黄瀬:なるほど。
中俣:そもそも、めっちゃ家にキーボードとかあるの。で、親も音楽好きだから、「ギターちょっとやってみたいな」って言ったら「買ってあげるよ」つって。
でもギターはハマんなかった。
尾野:そうなんだ(笑)
中俣:マジで、「F(コード)弾けねえ!」みたいな。
黄瀬:それはいつ頃?
中俣:中2ぐらい。まじで手ちっちゃいの、俺バカ手ちっちゃいから。
その時なんてもっとちっちゃいわけよ。
別に関係ないんだけどさ、ギター手の大きさ。
でも「さすがに弾きにくいな」ってなって、萎えてやめちゃって。
で、その時に俺はKing Gnuに会ったわけですよ。
黄瀬:はあはあはあ。
中俣:King Gnuに出会って、で、新井和輝。ベーシストのね。
黄瀬:先生に(笑)
中俣:新井先生がね、マジで、そう、「ベース良すぎ!」ってなって。
それでじゃあ、ベース始めちゃおうって。
黄瀬:そうなんだ、新井さんきっかけでもあるんだね。憧れみたいな。
中俣:そう、完全に新井さんきっかけじゃないけど、元々...。
これも1個(話)あるんだけど。
小...小6じゃねえか。中学。中2ぐらいの時に行った、オーケストラの体験教室があって。その時に一個フィルみたいなので、コントラバスだけでフィルするみたいなのがあったの。
尾野:へえ(笑)
黄瀬:おもしろ。
中俣:「おもろっ」て感じだった。その時のホールのね、 コントラバスの鳴りがえぐいの。まじでぶーってきて、それに、「おエグ。低音や。」って。
黄瀬:そんな中学生いるの(笑)
中俣:意外とね、意外とちゃんと。
黄瀬:ギターにハマらずにコントラバスに感銘を受けて(笑)。
中俣:そう!それでベース始めたね。
黄瀬:はー。え、高校でもバンド?
中俣:バンドやってたね。King Gnu、それこそやったりとか。
黄瀬:そうなんだ。今作ってる曲ってさ、何から始めるの?作る時。
中俣:何から始めるかな〜。
でもね、基本はコードからが多いかな。バンド系だったらコードから大体作る。コードかメロディから作って。
ビートだったら、大体いろんな音楽聞いてて、「あ、こういうビートかっこいいな」みたいな。
黄瀬:
なるほど。
中俣:そう。 それでビート作ってから雰囲気で色々入れたりする。
黄瀬:結構ノリっていうか、グルーヴから決めるみたいな感じ?
中俣:みたいな感じが多いし。あと、サンプリングの素材とかをぽって入れて、そこから作るのも多いかな。ビートだったら。
黄瀬:どうですか、おのまゆさんは…最近のご製作のご進捗は?
尾野:進捗ー?(笑)。
でも最近あんまできてないかも。 ちょくちょくなんかスマホに録音で、最初に「こういうメロディーが入った曲を作りたいな」みたいなところから始めることが多いんだけど、そういうメモはちょっとずつ溜まってて。そう、それを消化する時間が欲しいなっていうところ。
黄瀬:整理したい感じ?
尾野:うん。
中俣:なんか俺もよくボイスメモにメロディー入れてる、シャワー浴びる時とか。めちゃくちゃ...
黄瀬:わかんの!
尾野:いや!
中俣:わかるっしょ?
尾野:そう、お風呂入ってる時とか!
黄瀬:お風呂すごいよ!
尾野:わかる!
黄瀬:湯水のように..。いや湯も流れてるんだけど(笑)。
尾野:そうそうそう(笑)
黄瀬:インスピレーションが。
中俣:なんなんだろうねあれ、おもろいんだよね。
しかもそれがさ、もう頭洗ってる最中とかでさ。「まだ全然なんも洗ってないのに!」って。でもさ、忘れちゃうじゃん、すぐ。
尾野:そうなの。そう。
中俣:早く出たいんだけど!みたいになっちゃって。
黄瀬:そうだよね、スマホにお風呂持って..あ逆、逆。
中俣:スマホにお風呂もってっちゃったなー今。
黄瀬:お風呂に持ってくようになったのは結構それがあるかも。
中俣:持ってってるんだ。
黄瀬:もうなんかその、(忘れそうになって)やばいやばいやばいやばいってなって(笑)
わたしのボイスメモとか水が流れる音と歌声みたいなボイスメモがめっちゃ溜まって。
中俣:なるほどね。それいいな。
黄瀬:でも、2人ともそうなんだね。
私は結構歌から入るから、お風呂場で歌いながら(アイデア)出るのがあるなって思ってたけど、2人は別に楽器触ってる時とかでもなく?
尾野:あ、でも楽器触ってる時もそう。ピアノでなんとなく「これ作りたいな」みたいなのもある。
黄瀬:あー、そのメモも結構ある?
尾野:ある?
黄瀬:そうなんだ。
尾野:でも、適当に考えながら弾くから、後から聞いた時に拍感が全然わかんなくて、すごい困っちゃう。
黄瀬:「どこがまとまりで〜」みたいな?
尾野:そうそうそう。
黄瀬:結構断片的になるもんね。
中俣:いいなあ、ピアノは弾けたらいいよね。
尾野:いいよ。
中俣:弾けないですからね。
黄瀬:(中俣は)「楽譜とかにあんまり馴染みない」って言ってたよね。
中俣:ないよ。
尾野:あーそうなんだ。
中俣:すっごい苦しんでるよ楽典に(笑)。
黄瀬:それでコードから曲作るってどうやってるの?
中俣:だからね、まじ完全感覚dreamerだね。
2人:(笑)
黄瀬:突然の(笑)
中俣:感覚dreamerだね、完全に。でも、もちろんコード理論はわかってるよ、ドミナントとか何とか、ある程度は。なんか、いろいろあるじゃん、なんか裏コードみたいなのとかさ。
別にそういうのはなんとなくわかってるけど、でも基本は感覚かな。
黄瀬:じゃあ結構実践的なところから、まともっていうか、理にかなったコードなんだなっていうのを試していく感じ?
中俣:そうだね。だからめっちゃ基本、変なコードになってるから(笑)
黄瀬:なるほどね。
中俣:なんかいろんな進行あるじゃん。丸サ進行とか。
なんかそれを...。最初4番目の、ルート4番目のやつから入るけど、メジャーから。
入って、その次、3行くけど、「ちょっと変えたいな..。」みたいになって。
自分でキーボードを適当に鳴らして…「来た!」
2人:「来た!(笑)」
黄瀬::ほんとに完全感覚dreamer。
中俣:ほんとに完全感覚dreamerだねマジで。
尾野:そうなんか、感覚っていう点では、私も割と感覚派なんだけど、私は、コードの理論も何も知らなくて。
だから、マルサ進行とかも本当に知らないし、4とか5とか何言ってんだろうっていう。
そう、それも聞いてもわからない、知識としてもないから。
黄瀬:はあ、そうなんだ。
中俣:そうなんだね。
黄瀬:鍵盤ってさ、結構それ自体が理論じゃん。 なんかもう、可視化できる理論として...
楽典の勉強する時に、「絶対鍵盤見ながらやりなね」って私言われてて。
尾野:あ、そうなの?
黄瀬:そう、なんかその理由が。
なんか楽典の本読みづらいじゃん。理論書なんだけど…
尾野:え、ごめん、全然開いたことがなくて(笑)
2人:(笑)
尾野:いや、楽典の勉強はした。したけど、なんか理論をまとめてるだけの本だと、すっごい読みづらかったから、もう「ここを覚えました。よし、練習問題やりましょう。」みたいな割と1対1対応の感じのを使ってたから。
黄瀬:なるほどね、そっか。
中俣:あの黄色の本はさ、読みにくいよね。
黄瀬:そう、内容は充実してるんだけど、やっぱりもうすでに完成された西洋音楽のルールを、日本語で読み解いて、それをどうにか解釈しましょうっていう本だから。
理論として成立してるっていうよりは、 すでにある理論の和訳みたいなもんだけど、私たちにはあまり馴染みづらいかったりするし。っていうのがあるけど。うん。そっか。問題集として使ってたみたいな感じなんだ。
尾野:そう、黄色い楽典はまず入学前持ってなかったし、入学後先輩からもらって開いて、最初の見開きで辞めた。
中俣:読む気ならんよねあれ、普通に。
尾野:ほんとはね、知ってた方がいいんだろうけど。うん。
黄瀬:でも全然私も人のこと言えないけどね。
中俣:いや、マジでわかんない。
あれさ。うん、受験の時に一瞬読んだけどさ、一つも解けなかったよ?
尾野:(笑)
中俣:結局なんか、しかも過去問…過去問初めて解いたのが、多分入試のね、3日前とか。
尾野:(笑)
中俣:3日前で、なんか5点ぐらいしか取れなくて。「やば!死ぬこれ!」って。
黄瀬:マジ?
尾野:よく通ったね。
〜ジングル〜
黄瀬:聞いてみたいことがあって。2人が面白いと思った授業はなんですか。
尾野:あ〜。
中俣:面白い授業か〜。
黄瀬:なんか入る前に「これやってみたい」って思ってたことがどんくらいできてるかとかも聞いてみたいし。
中俣:確かにね。なんだろうな。
でも俺が面白いなって思ったのは、でもやっぱ毛利さんの授業(音楽環境創造概説3)。
なんか割と社会とか。歴史と社会の関わりみたいな感じで、音楽と。
みたいのは結構学びたかった。
やってんのおもろいよね。あとシンプルに話おもろいし。
尾野:面白い。
黄瀬:参考資料もいっぱい見せてくれるし。
中俣:あれおもろいね。
あとはね、あの、メディアアートって授業があんのよ。「Touch Designer」っていうさ、なんかCGとか作る。
黄瀬:はー。
中俣:そう、なんか音楽と、あと映像で連動させたりとか、そういうソフトがあるんだけど。それの1から教えてくれるっていう授業があって。そう、それが割とやりたいことにね、近いから。うん、
黄瀬:そうなんだ。え、3Dモデル動かすみたいなこと?
中俣:あそう。とかできたりとか。
黄瀬:MV作りたいとかってこと?
中俣:とかもできるし、 なんかね、1番ね…だから俺がそのメディアートの最後のなんか課題みたいなのでやったやつはVJなんだけど。
黄瀬:あーそっか!
中俣: 適当に音楽流して、それに連動して映像を。
尾野:うんうん。
黄瀬:Visual Jockeyの略ですね。
中俣:そうそうそうそうそう。とかできます。
あれはね、なんか、「ああ、藝大してるな」みたいな。
2人:(笑)
中俣:割と講義多いじゃん。まじで。
黄瀬:そうだね。
尾野:結構ね、思ったより必修講義多いなっていう印象はある。
中俣:そう、結構多いから。なんか唯一実戦ちゃんとできた。
黄瀬:確かに確かに。座学ってことか。
中俣:そうだね。
黄瀬:座って聞くタイプの授業も多いよね。
中俣:うん。が多いよ。
黄瀬:音環概説…そうだ、音環概説さ、 入学してから半年間、それぞれの研究室の先生が講義をオムニバス形式でやってくださって、それを受けて自分の所属をさ、後期から決めるって感じだったじゃない。
中俣が創作に踏み切った理由はなんだったの?
中俣:でも、俺は元から創作のつもりだったから、
黄瀬:あ、そっか。変わらずって感じだ。
中俣:うん、変わらず。でもやっぱ創作はなんだかんだなんでも作らせてくれるし。なんかね、結局新しい、なんかヒップホップカルチャーを作りたいみたいなのあるから。
黄瀬:んー!
中俣:ってなった時に、なんかいろんな新しい技術を色々教えてくれるから、後藤さん。
黄瀬:なるほど。
中俣:そう。で、アドバイスしてくれるから、「創作でいいや」ていうね。
黄瀬:自分の使えるものをたくさん増やしていきたいっていう。
中俣:そうそう、そこだね。
黄瀬:へえ、なるほど。
普段何やってるの…そう、創作のさ、特に後藤先生の研究室とかって、所属してないと、何してるか本当に見えない。
尾野:あ、そう創作はほんとに何やってるんだろうっていう疑問はある。
黄瀬:なんか、たまにプロジェクトルームとかで、なんか無調(音楽)を作ってるのは、知ってるんだけど(笑)
中俣:もうね、あれはね、頭おかしくなってくるよ(笑)
黄瀬:無調作るってなんだ!?っていう。
中俣:うん。いや、おもろい。なんかね、た、ちゃんと理論があるんだよ。一応ね。
尾野:はいはい。
中俣:完全感覚だけど。
ほんとにdreamerだけど。
2人:(笑)
尾野:好きだな。
中俣:いや、ほんと!それこそよ。
黄瀬:で、もう、それを作ってゼミ内で発表するみたいな感じ?
中俣:うん、そう。毎回そう。夏休み明けとかって、1人3作品とか発表する。
黄瀬:(驚)
尾野:無調×3作品??
中俣:1回、授業で「こういう無調の作り方がありますよ」っていうのを紹介されて、「はい、じゃあ来週1曲作ってきてください」だから。
黄瀬:実践!って感じなんだね。
中俣:うん、そう。1週間で無調を作って来させるなっていうね。
2人:(笑)
中俣:毎回思ってるけど。
黄瀬:いや、ほんとにそう。見てて思うけど、演習がまじで多いなっていうか。
中俣:本当にそう、田村さん大変よ。多分ね。
尾野:他のプロジェクトの話ってそんなに踏み入って話すことがないから。
中俣:ないね。そう。だから音響は何をしてるんですか?最近。
尾野:音響は...
でも、最近はずっとピアノの録音をしてて。どういう風に、どこに、どういう風に、どのマイクを置いたら、より自分の想像するような音が取れるかなっていうのを何回も試行錯誤してやって。
そう。音を...なんて言うんだろう。
……
パンクしちゃった。
2人:(笑)
黄瀬:パンクしちゃった(笑)。
そうね、結構何回も、ほんとにそれこそ2か月ぐらいずっと毎週火曜日は、録音実習でスタジオにピアノを。セッティングからするのね?もうピアノを搬入するところからやって。
中俣:なるほどね。
黄瀬:で、マイクを立てて。
立てるって言っても、 離すのか近づけるのかっていうのもあるし、そもそもピアノの中に(マイクを入れることを)オンマイクって言うんだけど...に入れて、弦の音を録る時に、どこに入れたら録りたい音が録れるかっていうのを、実験しながらやっていくしかないんだけど。
それって2個ぐらい多分課題があって、まず1個は「録りたい音をそもそも取れるか」っていう段階で、もう1個は、「録りたい音が何なのか」を 自分で理解して言語化して他人に伝えられるかっていうのがすごい大きいハードルで。
なんかさ、漠然と「硬い音」とかさ、「キラキラした音」とかって言っても、「それって何ヘルツがどんぐらいなの?」っていうのを言えないと伝わらないじゃん。
中俣:なるほど、難し。
黄瀬:それをまずやらなきゃいけなくて。
尾野:本当に難しい。
黄瀬:まだ1年生は結構その段階というか。
尾野:うん、そうだね。
黄瀬:でも結構録音とって、 今演奏どうだった?って亀川先生が聞いてくださって、「ちょっとなんか遠いっすね」とか言うと遠いって何?みたいな(笑)
中俣:詰めてくるの(笑)
黄瀬:いや、言語化する時間を作って(笑)
中俣:なるほどね、コミュ力が大事ってことね。
尾野:やめて、刺さないで。
2人:(笑)
中俣:いやそういうわけじゃないわ(笑)、別に全然大丈夫だろ!
尾野:私はほんとに人に伝わらない言葉を使いまくってるから。
黄瀬:この間そう、(尾野が)「キラキラした」って言ったのか、それこそ。
尾野:うん言った。
黄瀬:そうで、結局。あとなんかコロコロしたって言った人もいたし。
尾野:1番理解されなかったのは「マヨネーズみたいな音」。
中俣:(爆笑)
黄瀬:無理だろ!
中俣:無理だな。いいやんそれ!
尾野:なんか割と通じる環境で生きてきちゃったからさ。
中俣:あ、いいね。
黄瀬:マヨネーズみたい…ほんとに分かんなかったな、それは(笑)
中俣:確かに、なんかフリーでね、その音響とかPAとかやってくんだったら、ミキサーとかやるんなら必要なんだろうね。そういうの。
なんか、仲間内だったらマヨネーズで伝わりそうな。
尾野:(笑)
黄瀬:そう、やっぱ録音技師さんとかってさ、突然現場に参加して、仕事を果たさなきゃいけなかったりするから。
尾野:そうそう。
黄瀬:そうなると、本当、初対面の人といいもの作んなきゃいけないってなったりするもんね。
尾野:ってなったら、やっぱ共通言語がないと難しいからね。
黄瀬:それを学んでる。
中俣:あー、なるほどね。
そう、創作でもね、プレゼン。毎回プレゼンなんよ。後藤研。
「1週間何をしてきましたか?」っていう感じ。発表して、なんかね、それでそのプレゼンを上手くしよう、って感じの目的らしいの。
2人:うんうん。
中俣:やっぱ、「アーティストはプレゼンが下手くそ!」っていう。最初の時に言ってた。
黄瀬:ーーーッ..それな。
中俣:(笑)
尾野:うーん。
黄瀬:いや、ほんとにそう思う。
中俣:ね。
結局伝えるの大事だからというのは、後藤さんのお言葉で。
黄瀬:やっぱ千住ArtPathもさ、本当にその一環というか。
「作品ただ置いてドヤ顔してちゃダメですよ」っていうの、結構あると思うし。
中俣:ね。なんかそういう作品を伝えるコミュ力みたいなのを。
尾野:うん。
中俣:こう養おう!っていう気がすごいあるよね。
尾野:それは結構音環全体としてある気がするね。
黄瀬:あるあるある。そうだね。本当にそうだ。
尾野:社会とどう関わっていくか、どう外に広げていくかっていうのは大事にしてるんだろうなって思う。
中俣:うん。結局コミュ力なんだね。
尾野:うーん。
黄瀬:コミュ力ね。まあまあ。
中俣:いろんな方面、ベクトルがあるけどね。そう、伝える方のコミュ力だね。
黄瀬:そうだね、なんか すごいここの環境でいいなって個人的に思ってるのが、「アーティスト」っていう言葉に寄りかかってないなってすごい思ってて。
なんか具体的に何をしてる人をアーティストと呼んで、それがどう機能してるから重要なのかっていうのをしっかり突き詰めようとしてるなと思って。それこそ、その熊倉さんの授業でさ、みんなアートプロジェクトについて調査に行ったりしたじゃん。
そうすると、やっぱふんわりした言葉じゃ伝わらないから、具体的にどういう機能を果たしてますか?とかっていう話をしなきゃいけなくなるわけで。
それって多分どのプロジェクトの分野でもそれは突き詰めないといけないんだろうなっていうのを、でも本当に後藤さんの授業の話とか聞いてるとそうだよね。
中俣:そうなんだよね。伝える...むずいよね、言語化ってマジで。
尾野:難しい。
黄瀬:なんかさ、その作品を説明することについてさ、鬱陶しさを感じたりすることはあるの?
中俣:鬱陶しさ?
黄瀬:うん。
中俣:あー、作品によるかも。 どこからインスピレーションを受けたとか、なんかそういうのを説明はできるけど、でも別にそんなしたくはないね、それは。ちょっと野暮だよね。
黄瀬:あー、したくはないんだ。そっか。あるのかもね、やっぱりそういう側面もあるにはあるよね。
中俣:うん、そういう作品はそうだと思うけど。
なんかさ、音環とかでよくやってるようなインスタレーションとかさ。あれって割と…
黄瀬:確かに。コンセプチュアル。
中俣そう、コンセプトが大事なやつだから。
尾野:あーそう、背景をね、ちゃんと知った上で見てくださいみたいな感じのね。
中俣:そういうのは絶対必要だよね、伝えるの。あれは、わかんないからね。そういう時はね、伝えたいことが。
尾野:でも、音楽を自分が作るってなったら、もうそこに全部込めちゃうから。
黄瀬:うわぁ…。
尾野:それをいちいち後から言葉で説明したいとかしようっていう風にはならないかな。
黄瀬:ならないんだ、なるほどね。そうか。ほんとにそっか。歌詞が書けないって、もしかしたらそれに通ずるところあるのかもね。
尾野:うん、あるかもしんない!
中俣:なんか、説明せずにもわかる作品が作れたらいいんだろうけどね。
尾野:うん。作りたーい。
黄瀬:まあねー。
確かこの間おのまゆが言ってたやつで、めっちゃ気になってるっていうか、私が気に入ってるやつがあるんだけど。
尾野:うん。
黄瀬:なんか「自然を見に行って、何かインスピレーションが得られるかと思ったけど、自然そのものがもう完成されてて、私が入る余地がなかったから、私の作品は生まれなかった」っていうのを言ってて。
中俣:あーー。
黄瀬:あ、そうなんだ…!って。
尾野:新しい音楽が出てこなくなった。自然の中に行ったら。
中俣:なるほどね。
尾野:それは割と自分の中で衝撃的な体験だったかも。
中俣:えー、面白いねそれ。俺、割となんかね、風景とかから多いかも。
2人:そうなんだ。
中俣:うん。なんかね、 めっちゃ覚えてんのは、なんか公園で雨上がった後ですぐ晴れみたいな。
2人:うん。
中俣:あるじゃん。時あんじゃん。
で、それで 昼2時ぐらいだったんだけど、めっちゃ光刺してて、「結構天国じゃね?」みたいな。
2人:(爆笑)
中俣:「ここ天国じゃねえかな」みたいな風景が広がってたんすよ。
黄瀬:なんか神秘的だったみたいなこと?
中俣:そう、超神秘的。で、その時ね、その、中学の一緒の仲いいやつと2人で、なんかね、いたんだけど。
尾野:うん。
黄瀬:あーいいね、いい時間だね。
中俣:喋ってて。
その時、「うわ、なんかいいなこれ」みたいな。 そう、感じて、そういう体験をなんか再現しようとしてる節はあるかも。
尾野:へぇー!
黄瀬:再現なんだ!
中俣:うん。
黄瀬:その時の気持ちを思い起こさせるようなものをっていう感じ?
それとも自分の記憶を閉じ込める?
中俣:なんかね、トラックとかになると、なんかね、割と背景とか、その空間を作ってるイメージなんだよね。 歌モノじゃないときは。
黄瀬:へぇー、面白いな。それも
中俣:そう。
だから、そういう、そのね、公園の神秘的な風景を。うん、再現しようとしてるかもしれない。
尾野:へー。
中俣:うん。聞いて同じような感覚になるものを作る。
黄瀬:曲を作るさぁ、モチベーションって何?
尾野:モチベーションというか、出発点は絶対音。
この楽器を使いたいとか。
黄瀬:あ、そうなんだ。
尾野:「このメロディーを使いたい」とか、「この調のこういうテンポの曲を作りたい」っていう、そっから出発するかな。
黄瀬: はー、結構漠然としたイメージがあって。
尾野:そうそうそう。うん。だから、その風景から出発するとか、自分の体験を曲にするとかはないかな。
2人:へぇー。
中俣:そうなんだね。
黄瀬:なんかもう1年生はさ、(ArtPathで)展示が持てないじゃん。
2人:うんうん。
黄瀬:だからそれを来年以降、お2人がどういう形でアウトプットにたどり着くのかっていうのをすごく楽しみにしてる。
もちろん私もしてるし、このラジオを聞いている人がまた来年来てくれて、「あ、これあの人じゃない?」ってなるのをちょっと密かに期待してて。
2人:うんうん。
黄瀬:私は結構アーティスト喋るべき派だから。
中俣:なるほどね。
黄瀬:こういう機会を作ったりしてるんだけど。
中俣:面白いね。ライブ。
…ライブじゃねえわ(笑)
尾野:(笑)
黄瀬:なんていった?(笑)
中俣:ラジオラジオ(笑)
集中力が切れてきて。
2人:(爆笑)
中俣:え、あと俺、気になるのが、ちょっと話変わるけど。
おのまゆの音楽遍歴が気になるな、どういう音楽聞いてきたの、っていう。
尾野:聞いてきたか?
なんか、そもそも5歳から音楽教室に通ってて、エレクトーンを主にやってきたんだけど、 そっちではクラシック曲をやることが多くて。そう、19世紀ぐらいのかな。の曲をやることが多かったから、割と自分の作る器楽曲のルーツはその辺にあるかもしれない。
中俣:ふーん。
尾野:ただ、聞いてる曲、普段聞いてる曲で言うと、全然違って。ボカロとアイドルの曲。
黄瀬:あ、そうなんだ。
尾野:そんなにめちゃめちゃ聞くわけじゃない。有名どころをちょっと聞くぐらいの話なんだけど、アイドルの曲は結構昔から好き。
黄瀬:アイドルって例えば?
尾野:最近はねー、でもほんとに有名どころしか聞かないんだけど、ここ2週間ぐらいはFRUITS ZIPPERしか聞いてない。
黄瀬:わかんのーー!
2人:(笑)
黄瀬:本当に!え、ふるっぱーちゃん…(中俣に)聴いてる?
中俣:いや、全然聴いてない。
黄瀬:いや、いいですよ。レコ大(日本レコード大賞)とったよね?
尾野:そう、とった!
黄瀬:いやほんとに...
尾野:ほんと好き。
黄瀬:...ほんと好き。
(幸せな笑い)
黄瀬:え、そう、FRUITS ZIPPERちょっとやばくて、最近。
てか私、推しがいるんだけど、ヤマモトショウっていう。
あの、メンバーじゃなくて作詞作曲家なんだけど(笑)
尾野:はいはいはいはい(笑)
中俣:そっちかよ(笑)
黄瀬:推しで。ほんとにいいんだよね、曲が。FRUITS ZIPPERの曲。
『わたしのいちばんかわいいところ』もそうだし、最近の『NEW KAWAII』もそうだし。(今言った)曲全部そうで。
で、あと、「きゅるりんってしてみて」っていうアイドルがいて、うち(音環)のさ、卒業生の福島麻衣子さん、もふくちゃんって呼ばれてる。
「でんぱ組.inc」とかプロデュースをしてる先輩なんだけど、その先輩がプロデュースしてるアイドルの曲もやってて。
今あげたやつ全部tiktokでもう…
中俣:バズってる?
黄瀬:どっかんどっかん。 (笑)
そう、なんかね。歌詞がいいんですけど。
(尾野に)私は歌詞が好きなんですけど、あなたはFRUITS ZIPPERの何が好きですか?(笑)
中俣:おもろ、その質問(笑)
尾野:え、でもね、かわいいところが好き。
それはビジュアルの曲も含めて。
黄瀬:間違いない。
中俣:なるほどね。
黄瀬:確かに音めっちゃかわいい。
尾野:そもそも可愛いものはずっと好きで、それこそ小学生ぐらいの時は「プリパラ」をずっと見てて。
黄瀬:うんうんうん! なるほど。
尾野:その辺の曲はもうめちゃめちゃ聞いてる
黄瀬:あー。なんかちょっと見えた気がする。
中俣:見えた?
黄瀬:うん。
尾野:(笑)
黄瀬:点でしかなかった尾野真悠子が線になってきた。
一同:(笑)
尾野:点だった?私
黄瀬:まだ一次元だった(笑)
尾野: いや、点は次元もない。
黄瀬:え、そうなの!?
尾野:線で、やっと1次元だから。
中俣:まだ1次元だ。
尾野:まだ1次元。平面になれてない。
中俣:なれてないねー。
黄瀬:全然同じ次元にならないじゃん(笑)
中俣:だいぶまだあるね、3まで。
黄瀬:いやでも結構音環に来てから出会う人「な、何これは。」みたいな人が多い気がする。
中俣:いやほんとそうよ。
尾野:うん、多いね。
中俣:うんうん。変な人ばっか。
尾野:みんなバラバラだし。
黄瀬:だからこういう企画できるんだけどね。
尾野:うん。
中俣:そうだね。掘ればおもろいから。
黄瀬:そう。
なんかかぶってるところがあるのももちろん面白いけど。共通点で盛り上がれるけど、「あ、そこ全然知らないわ。」みたいなのが出てくるから。
中俣:うん、やっぱね、今聞いててもおのまゆと全然違う。
尾野:いや全然違うよね。
中俣:もう180度違う。完全に、マジで。
黄瀬:確かに。
かぶってないね。
尾野:うん。
中俣:0被り。
尾野:何が被ってんの。ほんと
黄瀬:二足歩行とかじゃない。
2人:(笑)
尾野:ホモ・サピエンスではあるよね(笑)
中俣:種族は被ってる。
黄瀬:ちょっと適当言い過ぎてる(笑)
一同:(笑)
尾野:ゆるゆるしすぎ
黄瀬:本当だよ。本当に喋ってるだけになってる。
はい!ということで、お互いの共通点から全然違うところまで話してきましたけど、どうでしたか。と
尾野: 共通点は話してないよ(笑)
一同:(笑)
中俣:共通点はホモサピエンスであること、塾講が嫌いなことです。
黄瀬:全然話さない2人が話してるところを見て、私は面白かった。
中俣:あ、そう。ほんとね。
尾野:そう、ここで呼ばれた時、何話すんだろうってちょっと思ったけど、面白かった。
中俣:ね。面白かったね。普通に。ね。
黄瀬:え、ぜひこれからも。
中俣:こっからもね。
いや、ここまで共通点がないとは。
尾野:うん。
黄瀬:来年の2人の作品を楽しみにしてますね。
中俣:これちょっと比べたいね。
尾野:うん。
黄瀬:うんうん。また話せるといいね。これね。
中俣:そうですね。
黄瀬:それでは、ありがとうございました。
2人:ありがとうございました。/ありがとうございました〜。